いきなりですが、仕事にスキル不要で社員の平均年齢が若い会社はブラックである可能性が高いと思っています。
なぜなら私が経験者だから。
私は短大を卒業して就職せず、バイトをしていたところでそのままバイトを続け、フリーターをしていました。
1人暮らしだったのでバイトをかけもちして、時間があれば働いているような感じでした。
「フリーターのほうが稼げるっしょ」という浅はかな考えだったんですよね。
2年ほどフリーターをしていて、「このままではいけない」と思い就職活動を始めましたが、なんの実績もない私が受かるはずもなく、落ちまくりました。
「この社会にお前なんていらないんだよ」と言われているような気がして落ち込んでいた時に見つけた求人。
- 正社員
- 20代歓迎
- 資格経験不問
- PCスキル必要なし
- 月給18万(手取りだったはず)
- 海が好きでスキューバダイビングの素晴らしさを教えていただく仕事です
今ならちょっと調べたら評判が出てくるのに、あの頃はガラケーの時代。
受けたら面接の時点で採用が確定しました。
入った会社の社員は平均年齢が若く、なんだか楽しそう!?
はい、ブラック企業でのお仕事はじまりはじまり~!
平均年齢が若い会社はブラック企業の可能性が高いから気をつけたほうがいいよ、というお話です。
目次
平均年齢の若い会社がブラックだった話
私が経験したブラック企業は、ガチ体育会系の会社です。
入社してわかったのが、平均年齢が若い!
私がその会社に入ったのは23歳でしたが、平均年齢は25~26歳だったと思います。
主任・係長・課長の上司の平均年齢も若いんですよ。
20代後半から30代前半の人がほとんどでした。
しかもイケメン、キレイな人が多かった。
これは後々考えると、「そういうことか…」と思いましたよ。
当時の私はパソコンは使えずスキルもないので、募集内容は魅力でしかありませんでした。
パソコンのスキル不要、資格経験不問で正社員。
仕事内容はよくわからないけど、スキューバダイビングって素敵やん!ってノリで受けました。
面接の時に「スキューバダイビングの素晴らしさを教えるって具体的には何をするんですか?」と質問したところ、「友人や知り合いにスキューバダイビングの良さを伝えていくんですよ」と言われ、「…はぁ」と答えるしかありませんでした。
仕事内容がよくわからない、というのもブラック企業の特徴のひとつです。
よくわからないまま研修の日程を言われ、5日間の研修に和歌山へと行くことになります。
大阪に集合して、ハイエースに同期と研修の指導員の人たちと一緒に乗り、和歌山に向かいました。
初めて会う同期に緊張していましたが、この研修中に体験ダイビングができるということで、わくわくした気持ちもありました。
同期は私を入れて12 人ぐらいだったかな?
平均年齢は私と同じぐらい、20代中頃の人たち。
和歌山に着いた最初の2日間ぐらいは研修室で座学でした。
まずびっくりしたのが、和歌山に着くまで和やかだった指導員の人が急に厳しくなったこと。
開始時間になってもしゃべってた同期の男の子がめちゃくちゃ怒られ、みんなの前で泣いて謝るほど厳しく怒り、旅行気分だったみんなはピリッとしました。
さらに驚いたのが、旅館に泊まっているのが私たちだけではなく、主任研修で新しく主任になる人も来ていたのですが、大声が真夜中までずっと響いていたこと。
コンコン「失礼します!我が社社訓!我が社は…!」と社訓を大声で1人1人言っている声がずーっと聞こえてるんです。
私たちは「何あれ…あんなことしないといけないの?」とドン引き…
だんだん「この研修おかしくないか?」と思い始めます。
で、当然これを私たちもやらされたわけです。
3日目からは座学ではなく、海に行って浜辺で、指導員に向かって大声で覚えた社訓を合格が出るまで言います。
全員合格するまで旅館には帰れません。
どんどん合格して人数が減っていき、残った同期は泣きながら言うぐらいのプレッシャーがかかっています。
私は何人目かで合格したけど、それでも泣きながら言ってましたからね、辛くて。
今思えばアメとムチだったんでしょうが、4日目に体験ダイビングです。
これはテンション上がりますよ~。
和歌山の海がキレイで魚もたくさんいて、初めての経験でとても楽しかったです。
ちなみに研修の指導員は全員インストラクターでした。
5日目最終日。
地図を渡され、班に分かれて和歌山を歩いて1周するという試練です。
真夏の炎天下。
知らない場所。
地獄です。
朝出発して、ゴールに着いたのは夕方だったかな?
そんな研修内容は知らされていなかったので、私は日焼け止めを塗ってなかったんですよね。
(あ、でも持ち物に「運動靴、動きやすい服装」ってあったな…)
火傷に近いぐらい顔が日焼けして、化け物みたいになりました。
首元にその時の日焼け跡はまだ残っています。
若い子たちを採用していたので、厳しい研修をしてふるいにかけていたんだと思います。
地獄の研修を終えて、次の週から出勤すると何人か来ていない同期がいました。
正しい選択だったと思います。
残った同期はそれぞれ別のところに配属され、私は心斎橋店に配属されました。
まずやらされたのが、友だちリストを書くこと。
名前・年齢・職業・関係などをリストに書かされるんです。
平均年齢が高い人は除外されます。
は?なんで?
めちゃくちゃイヤだったんですけど、入ったばかりで反論もできず、あまり仲の良くない人の名前を書きました(ごめん)。
そのリストを直属の上司の主任が見ながら「ふんふん、この子連絡とれる?」とか言ってくるんです。
要はこの会社、スキューバダイビングを商品として売っていて、やるなら知らない人とやるより友だちとやったほうが楽しいよね、だから友だちに売っておいで?というお仕事内容なんです。
直営業と言われるやつです。
下着や宝石で聞いたことないですか?
数年ぶりに同級生から「会おうよ!」と電話かかってきて、会ったら高い下着を買わされたという話。
あれのスキューバダイビング版です!
私たち下っ端はターゲットを連れて行って、上司が契約の話をするというまさにな感じ。
だから若いイケメンやキレイな人が多かったんです。
役職がついてる人は全員インストラクターなので、講習もできるし海にも連れて行けるんです。
そこでも売るようにもっていくんです。
実際私が講習をしてもらったインストラクターの課長がすっごくかっこよくて、ファンになりましたからね(笑)
ざっくり説明すると、ライセンスと器材を売っていて、
レジャーとして楽しむライセンスは3つのランクをとらないといけない⇒30万ぐらい
器材はいい器材を使わないと危ないよね⇒100万ぐらい
「誰が買うん?」と思いますよね。
これが買うんですよ。
若い人で趣味がないと「こういうのもいいな」と思って買う人が多いのに驚きました。
そして友だちに勧めるなら自分もしてないとダメだよね、ってことでもちろん新入社員も買わされます。
誤解のないように言っておきますが、物はいいんです。
ライセンスも本物だし、器材もいい物なんです。
だから詐欺ではないんです!
ただ他の選択肢を与えず、買うまで軟禁状態にさせられるんです!
「よし、終電逃させろ、そしたら朝まで時間ができる!」
っていうのが普通で、お客さんも根負けして契約する人もいました。
そこがね、ブラックですよね。
ライセンスだって器材だってもっと安くていい物もあるのに、「これがいるから!」ってセットにして売るんです。
私も買うハメになるわけですが、ローンを組むのに親に保証人になってもらわないといけないので電話して説明したところ、金額を聞いて「お前、洗脳されとんちゃうんか!」と言われました。
ここで何を言って説得したか記憶がないのですが、どうにか保証人になってもらい、無事購入することができました!(無事にじゃねーわ、洗脳されとるがな)
ここで「ブラックだな、この会社」と思ったことをまとめておきます。
まず社長がヤ〇ザ?と思うぐらいコワモテ。
社長が会社に来る月曜日には、1人1人あいさつに行かないといけません。
社長室前にずらーっと行列ができるんです。
係長より上の人は、あいさつの仕方が悪いと殴られます。見えるんですよ、それが。ガラス張りだから。
あいさつひとつに命がけでした。
1人1人にノルマがあって、売り上げは棒グラフの票になって壁に貼ってあります。
棒グラフが伸びてないと月末はヤバいです。
「お前どうなってんねん!」と怒鳴られます。
まさにブラック!
ノルマを達成するか、達成する見込みがないと帰れません。
「達成してないのになぜ帰るのか?」って普通に言われます。
私は女なのでなんとか毎日帰っていましたが、男性社員は会社に泊まっていましたよ。
イスを並べたり床で寝たり。
私も何度か泊まったことがあります。
こんなブラックな会社なので、すぐ辞める人が多いです。
だから毎月のように新入社員が入ってきます。
新しい人が入れば、その分売れるわけですしね。
入れ替わりは激しかったです。
平均年齢が若いのは、友だちをターゲットにしているから。
結婚しているとお金の自由が利かないので、ターゲット外になるんです。
そうなると自然に採用する社員の平均年齢が若いというのは納得です。
遊びみたいな仕事ですからね。
若くないとやってられません。
男性社員は、何かやらかしたら坊主にさせられてました。
お客さんとのトラブルとか。
イケメンの人でもいきなり坊主になって出勤するので「何かやったんだな」とすぐにわかります。
そんなこんなで友だちに勧めていくわけですが、私がラッキーだったのは仲のいい友だちが「ダイビングショップで働き出した」と聞いて「私やりたかったから買うわ」と自分から言ってきてくれたことです。
入ってすぐにノルマを達成した私は早々にエースになりました。
しかもこの友だち、どんどんランクを上げていって、インストラクター手前までいきました。
会社からしてもVIP待遇です。
本当にありがたかった…
この友だちがいたから続けられたのかも。
その後はあまり仲良くない子に声をかけていたので(ごめん)、売れるわけないですよね。
徐々に主任に本当に仲のいい人を聞き出され、連絡するように言われます。
この仕事の何がよかったって、仕事中に友だちに会えることです。
「ランチしよ~」って会いに行ってダイビングの話をするのが目的なので、平日の昼間から会えるんです。
これを「外会い」と言っていました。
もちろん最初から高い物は売れないので、まずはダイビングプールに体験ダイビングに来てもらい、そこで売っていく、というやり方でした。
私は友だちに「イヤなら断わってくれていいから」と事前に言っておいて、体験プールに申し込んでもらってました。
「プールだけなら入ってもいい」と言ってくれる友だちがいたので、ありがたかったです。
だから課長には「お前は新規はよく連れて来るのに、その後売れないな」と言われました。
仲のいい友だちは私の立場をわかってくれてうまく立ち回ってくれましたが、最初の頃に声をかけた同級生などは「あいつやべーやつになった」と思ったはずです。
同窓会には行けません。
どうしても友だちに売るのがイヤだ、とダダをこねていた私に課長が提案してきたのは「コンパ集客」でした。
同僚や先輩たちの友だちにコンパをしてもらい、そこでターゲットを探す。
売れないならその人にコンパをしてもらってさらに輪を広げる…の繰り返しです。
そしてこれがうまいこといったんですよね。
ちなみにこの会社で「熱い」と言われるターゲットが、自衛隊・看護師・保育士・未婚・実家済み・友だちいないやつ・趣味のないやつでした。
会社の社員の平均年齢が若いので、はたから見たらキラキラしてるんですよ。
若い人がスキューバダイビングしてるんだからそら~キラキラしてますよね。
実際コンパで仲良くなった人は、何人も契約してくれました。
お金があって趣味がない人は、申し込むものなんです。
この会社、詐欺ではないので、申し込んだ後は全力でフォローします。楽しませます。
キャンセルさせないようにと、その後も売るからw
だから社員の平均年齢が若いんですよ。
コンパ行ったり飲んだり、パーティーしたりばっかりだったんで。
まずはライセンス⇒軽器材⇒重器材
と段階を経て売っていくんです。
だからフォローも大変。
楽しく続けられるようにお客さんを盛り上げないといけない!
うん、この考え方はいいと思うんだけど、契約するまで軟禁状態にするのがね…
コンパ集客で成果を出していった私ですが、契約をとれても楽しくないわけですよ。
だって友だちじゃないから!
中には気の合う人もいたけど、ほとんどが合わない人で、しかも男性ばかり。
男性相手だと色恋もあるし、上司にはそれを利用して「色売りしてこい!」とか言われるし。
(会社としてはNGだったんですよ。でも実際はみんなやってました)
相手の好意を利用して申し込んでもらって、その後もフォローのためにランチしたり飲みに行ったり…デート商法やん。
会社はコンパ集客はヨシとしてなかったので、「友だちの紹介」というテイでいくんです。
会社的には黙認しているって感じでした。
結局、友だちに売るのはイヤ、コンパ集客も限界…となると続けられず、1年で辞めてしまいました。
これでも続いたほうです。
ここまで残ってた同期は私を入れて3人でしたから。
一応「飛ぶ」辞め方はせず、送別会までしてもらって円満に辞めました。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言われるけど、この1年はキツかった…
条件が良すぎる会社は要注意
1年しかいなかったブラックな会社でしたが、ここでの経験はかなり私を大人にしました。
世間知らずな私が社会の勉強代として払った金額は大きかったな~。
私が思う体育会系のブラック企業の特徴です。
- 社長がヤ〇ザで社員を殴る
- ノルマ達成まで帰れない・休みがない
- 友だちに売る
- 自分にも売られる
- 入れ替わりが激しすぎる
- 社員の平均年齢が若い
求人の募集要項に、「20代募集」「資格経験不問」とあり業務内容がよくわからないのに給料が高いのは要注意です。
平均年齢が若い募集は怪しい…
パソコンスキル不要だったのはすべて手書きだったから。
募集のハードルを下げて人を集めたかったんだろうな、と思います。
勘違いしてほしくないのが、スキューバダイビングは素晴らしいものです!
他の選択肢を与えず、高い物を軟禁状態にして売ってたやり方が問題なだけで!
数年後に聞いた噂では、もうその会社は潰れたようです。
ショップの前を通ったら別のお店になっていました。
もう何年も海には潜ってないので、またいつか潜りたいとは思っています。
これから先、もし子どもが入った会社がどうもおかしいと思ったら、よく調べたほうがいいですよ。
ブラック企業ならすぐに辞めるのが一番です!
と、ブラック企業経験者の私からは言っておきます。
このあと、私はバーテンダーとして働くようになり、お客さんで来ていた旦那と出会って結婚しました。
スキューバダイビングのローンも「一緒に返す」と返してくれて、旦那には感謝しかありません。
バーでバイトしてた時のお客さんが旦那になっちゃった出会い方エピソード